トランプ大統領のアメリカ:経済政策は矛盾の集積
トランプ大統領の最大のアッピールは「雇用の創出」です。
皆様ご存知のように、雇用は従属変数で、主体は生産活動です。ですから景気動向指数でも、雇用は遅行指標です。
経済が活況を呈して初めて雇用は増えるのですが、就任演説の中でも主張しているのは、先ず、海外(特にメキシコ)からの労働力(不法就労)の流入を止めることで、これは当面アメリカ人の雇用を増やすことには合理性を持つでしょう。
経済活動の活発化については、先ずインフラの整備に1兆ドルの投資でしょう。経済活動活性化、雇用の創出のルールは簡単「buy American, hire American」と言います。
確かにそれが出来れば雇用は増ええるでしょう。問題は、そうした政策が現実に実施、実行できるかどうかです。
この辺りは、来月になるトランプ予算教書で、ある程度具体的な政策は出てくるのでしょうが、単純にアメリカ経済の収支計算をしてみても、かなり難しそうです。
1兆ドルのインフラ整備にしても、今のアメリカのインフラ老朽化を考えれば、とても足りないでしょう。さらにそのカネは政府が出すのではなく、民間の力でという考え方のようですが、経験的にみても容易ではないでしょう。
マネーゲーマーたちにカネを出させるというのでしょうか。
もし政府が出さなければならないとすれば、政府の赤字は増えるでしょう。アメリカの痼疾でもある双子の赤字の深刻化懸念は付きまといます。
何れにしても経常赤字が増大する可能性は高いでしょう。そのファイナンスは、ドッド・フランク法を廃止し国際マネーゲームで調達でしょうか。
バイ・アメリカンも愛国精神に訴える効果はあるでしょう。かつても、日本製の車を街頭で叩き壊したり、輸入反対の動きはありました。
しかし、アメリカの消費者が、愛国心と同時に「良い品を安く」と考えれば、外国製品はアメリカに入ります。国境で自由経済の流れを完全にストップすることはできません。
自由経済をやめることは猶更出来ないでしょう。
もし、buy American hire American を徹底すれば、アメリカの物価は上がらざるを得ないでしょう。実質賃金が下がるのは我慢できないでしょうから、賃上げ圧力が強まって、コストインフレになる可能性が高くなります。
割高のアメリカ製品は、外国では売れないでしょう。アメリカの国際競争力は落ちます。ならば、ドル切下げで競争力をつけるのでしょうか。金融市場の操作はお手の物というのではないでしょうが。
このジレンマを脱出する方法は大きく2つあるように思います。1つは、シェ―ル・エネルギーを増産して外貨を稼ぐ、つまり産油国になる道です。
もう1つは、「外国の国境を守る」ことをやめ、核を含む軍縮で原資を賄うことですが、核増強が主張されているようで、難しいでしょう。
このブログでは、企業のCSR になぞらえて、国については NGR(nation’ s global responsibility)という概念を提唱していますが。いずれにしても、アメリカさえ良ければになりそうで、この概念からは遠いようです。
アメリカの取るべき王道は、アメリカ(の国民)が徹底して働き、浪費より貯蓄を旨とし、技術分野でも、働き方の分野でも、かつての様に世界に冠たる地位を占めることでしょう。経済指標では「経常黒字国」という形で示されます。
世界の覇権国、基軸通貨国が、第二次大戦後のような、実力のあるアメリカを取り戻すことがトランプ大統領の念願でしょう。アメリカの成功を願いつつも、例え成功しても、何か一時代遅れたアメリカが誕生するような気がします。
トランプ大統領の最大のアッピールは「雇用の創出」です。
皆様ご存知のように、雇用は従属変数で、主体は生産活動です。ですから景気動向指数でも、雇用は遅行指標です。
経済が活況を呈して初めて雇用は増えるのですが、就任演説の中でも主張しているのは、先ず、海外(特にメキシコ)からの労働力(不法就労)の流入を止めることで、これは当面アメリカ人の雇用を増やすことには合理性を持つでしょう。
経済活動の活発化については、先ずインフラの整備に1兆ドルの投資でしょう。経済活動活性化、雇用の創出のルールは簡単「buy American, hire American」と言います。
確かにそれが出来れば雇用は増ええるでしょう。問題は、そうした政策が現実に実施、実行できるかどうかです。
この辺りは、来月になるトランプ予算教書で、ある程度具体的な政策は出てくるのでしょうが、単純にアメリカ経済の収支計算をしてみても、かなり難しそうです。
1兆ドルのインフラ整備にしても、今のアメリカのインフラ老朽化を考えれば、とても足りないでしょう。さらにそのカネは政府が出すのではなく、民間の力でという考え方のようですが、経験的にみても容易ではないでしょう。
マネーゲーマーたちにカネを出させるというのでしょうか。
もし政府が出さなければならないとすれば、政府の赤字は増えるでしょう。アメリカの痼疾でもある双子の赤字の深刻化懸念は付きまといます。
何れにしても経常赤字が増大する可能性は高いでしょう。そのファイナンスは、ドッド・フランク法を廃止し国際マネーゲームで調達でしょうか。
バイ・アメリカンも愛国精神に訴える効果はあるでしょう。かつても、日本製の車を街頭で叩き壊したり、輸入反対の動きはありました。
しかし、アメリカの消費者が、愛国心と同時に「良い品を安く」と考えれば、外国製品はアメリカに入ります。国境で自由経済の流れを完全にストップすることはできません。
自由経済をやめることは猶更出来ないでしょう。
もし、buy American hire American を徹底すれば、アメリカの物価は上がらざるを得ないでしょう。実質賃金が下がるのは我慢できないでしょうから、賃上げ圧力が強まって、コストインフレになる可能性が高くなります。
割高のアメリカ製品は、外国では売れないでしょう。アメリカの国際競争力は落ちます。ならば、ドル切下げで競争力をつけるのでしょうか。金融市場の操作はお手の物というのではないでしょうが。
このジレンマを脱出する方法は大きく2つあるように思います。1つは、シェ―ル・エネルギーを増産して外貨を稼ぐ、つまり産油国になる道です。
もう1つは、「外国の国境を守る」ことをやめ、核を含む軍縮で原資を賄うことですが、核増強が主張されているようで、難しいでしょう。
このブログでは、企業のCSR になぞらえて、国については NGR(nation’ s global responsibility)という概念を提唱していますが。いずれにしても、アメリカさえ良ければになりそうで、この概念からは遠いようです。
アメリカの取るべき王道は、アメリカ(の国民)が徹底して働き、浪費より貯蓄を旨とし、技術分野でも、働き方の分野でも、かつての様に世界に冠たる地位を占めることでしょう。経済指標では「経常黒字国」という形で示されます。
世界の覇権国、基軸通貨国が、第二次大戦後のような、実力のあるアメリカを取り戻すことがトランプ大統領の念願でしょう。アメリカの成功を願いつつも、例え成功しても、何か一時代遅れたアメリカが誕生するような気がします。